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2000年 8月13 日(日)【8/20改訂:写真を追加しました。】
生誕1ヶ月と1週間記念
胎児正太になるの記録
6:00 AM
酸素吸入器を使う。「楽になる?」聞いても答えはNoでした。
いきみの最中でも90はあった胎児心拍が、耳でわかるほど遅く、モニターを見ると60近い。胎児が陣痛に耐えられなくなってきている。
陣痛が去るとすぐ130くらいまで復活したものの、瞬間的に心拍が止まったように聞こえることもある。早く産んでしまわなければ、と焦る。
胎児はへその緒を通ってくる血液で生きている。
息を止めていきむ→血中酸素量が減る→胎児は首絞められたようなもん。
酸素はたぶん胎児のためで、わたしは楽になるよりはむしろマスクで暑く、息苦しい。
いきみで動くから気付いたらマスクが鼻の下にずれていて、
「鼻で吸って口で吐いてるのに。鼻が出てるってことは。胎児にぜんぜん酸素いきよらんやん」と思い至り、あわてて位置を直す。
助産婦さんが中に手を入れ、何やら慎重に「はいこっち、廻って、廻って」と手を添えている様子。
今そこで廻るもの、といえば胎児の頭が旋回してるのか。いよいよ佳境に入ってきたらしい。
6:05 AM
点滴もする。
点滴の針など、陣痛の前ではやはり屁のカッパ。促進剤を使うのだな。と思う。
6:15 AM
東野先生も登場。「陣痛が間延び」しているそうで、なんかテコいれをするよう。新しいマシン?
点滴の台を変更。こっから一気に事がすすむ。
点滴に陣痛を促進させるような薬が混じるようになり、陣痛が進む。
次は最初から部屋にあったマシンの登場。5,000ccまでメモリのあった機械それは吸引機でした。
先生から「大きくてなかなか降りてこないので使いますね、でも一緒に頑張ってくださいね。」
との弁。
助産婦さんが腹を押す、かなり強くオリャッて感じで押す。
さらに、さらっと先生が「少し、切りますね。」プチッと鋏を使う、どうもこれはかなり堪えたらしく、「ハヒィ。。。」と
今迄にない気が遠くなるタイプの痛みを感じているよう。
そうこうするうちに、頭が見えてきて、
「さぁほんとにもう少し。」と先生に励まされ1〜2分で誕生。am 6:35でした。
促進剤を使い、吸引もすることを説明される。自然にできることは全てしてもらった。もう何でも受け入れる。
吸引に備え、ただの「傾斜が付くベッド」が足のほう半分ガチャコンガチャコンと見る見るうちに改造され、分娩台っぽく変身。
先生が手袋を着け、片手に吸引カップを持ち、丸く並んだライトを背負い、観音様のように現れる。助産婦さんが「押しますね」とベッドの横に立つ。
促進剤が効いて次々に陣痛がやってきて、この勢いで一気に産まねば、もう悲鳴でもなんでもあげるぞ、とにかくいきみまくる。
と、この時点でもまだ胎動。頭が産道を降りながらも、足は子宮でじたばたしている。
ぐぐぐぐぐっと今までになく進んだ感じがあって、しばらくしてポンッと吸引が外れる。
いきみの途中で、「いきまないで息吐いて、ふーっ」。大きなものが挟まってる感触。ゆっくり出さないと裂けちゃうよーん、というところまで到達したらしい。
うわーこの状態には耐えられん早く出したいー、「切りますね」切ってくれ!ホントに麻酔なしでもプチッという感覚しかない。痛いとは感じなかったけど、気合いでケダモノの声をあげる。
もう一ケ所切開し、「もう少し」と言われ、ほんとにもう少しにしたいよう、うおおおおっといきんだところで大きなものがぐるっと出たー、うああああっとケダモノ声。続いて肩、そして全身まではあっという間だった。
分娩第二期終了。
6:35 AM
出てきたらすぐに泣いてくれて、口や鼻の中に溜まっている水をホースみたいなので、吸引して
もらった。そして、へその緒がついたまま抱かせてもらい写真を撮った。そのままボヤっとしていると、助産婦さんがささっとビデオを持ってきて、ビデオも少し撮ってもらった。いたれりつくせりである。
夫が産まれた産まれた、大丈夫と言い、間もなく産声。ほげっほげっと声がして、ああホントに泣くんだなあとしみじみ思う。
へその緒がつながってるからここまで、とおへその上に置いてくれたぽかぽかの新生児は男の子。エコーのビデオでもちゃんと見えたことがなくて、実は女の子かと思ってた。ちょっと意外。
「疑惑の物体は、ちんちんだったのね。」思わず口にする。
「…疑惑」なぜだか先生にウケている。
写真撮ってからへその緒が切られ、新生児は体重測定と産湯のため別室へ。助産婦さんがうちのカメラも持って行き、体重計に乗ってる写真も撮ってくれた。
後産は軽く、指示に合わせちょっといきんだら胎盤がするりで分娩第三期終了。分娩はこれでお終い。
胎盤を見せてもらい、御苦労さまでございましたと礼を言う。胎盤はひらぺったく生々しく、「生体UFO」みたいでした。
産湯を使いきれいになった新生児が戻る。困ったような顔で目を開けて薬指をしゃぶってる。
「お鉢が大きくて、なかなか出てこられなかったのね。よく頑張った、えらいえらい」こども誉められて嬉しい。「お乳あげてみます?」とお腹にもう一度乗せてくれて、含ませてみる。出るわけじゃないのに、ちゃんと吸うのだ。不思議。
切開を縫合したあとは、分娩室でそのまま経過観察の休息。
昨日夕飯を食べてから12時間ちょっと。ずっと胸のあたりまで押し上げられてた空っぽの胃や腸が、くるくるぷすぷす言いながらゆっくり元の位置に戻ろうとしている。
すぐ側のベッドで寝てる小さい人間が、さっきまでお腹にいた胎児だとは思えない。
ぼーっと内臓の音を聞いて初めて、産まれたんだなあ、と実感した。
長かったでしょ?長いんだよ....お産は。最後まで読んでくれたみなさん、ありがとうございます。